ビルダーズボイス60号 つちおと第100号

 この4月、袋井建設業協会管内では、新たに掛川市、袋井市、磐田市が新市に移行、新しい一歩を踏み出しました。平成の大合併といわれる市町村合併ですが、ここ県西部地区では、お隣の浜松市が12市町村という全国でも例のない合併に取り組み、7月には新市がスタートします。昨年4月の御前崎市、今年1月の菊川市に続き、これでほぼ新市が誕生、明治以来という大合併の幕開けの第一歩が始まります。「大きいことはいいことだ」といいますが、今後、より合併効果を見込んだ枠組づくりが進むものと思われます。そこで、広報委員会では、新市の建設計画を中心に、私達の街がどう変わるのか、袋井建設業協会管内の各市町村長に「新市への期待」さらには「新市の意気込み」などを聞いてみました。

中遠地域14市町村から6市町へ

平成16年4月 御前崎市誕生 浜岡町、御前崎町合併
平成17年1月 菊川市誕生 菊川町、小笠町合併
平成17年4月 掛川市誕生 掛川市、大東町、大須賀町合併
平成17年4月 袋井市誕生 袋井市、浅羽町合併
平成17年4月 磐田市誕生 磐田市、福田町、竜洋町、豊田町、豊岡村合併




 昨年4月、旧浜岡町と旧御前崎町の2町が合併、県西部地区市町村合併のトップバッターとして誕生した。重要港湾である御前崎港と、牧の原台地に建設中の静岡空港を結ぶ拠点都市として、さらに最先端の技術を持つ原子力発電所を有し、観光、港湾、エネルギーと一体となったまちづくりがスタートしている。

御前崎市庁舎

石原茂雄 御前崎市長からメッセージ

 平成16年4月「先端のまちから豊かさを先行く都市へ」をキャッチフレーズに、観光や港湾振興、福祉の充実を機軸とした御前崎市がスタートしました。国際貿易港の御前崎港と約500万キロワットの電気を作り出すエネルギー基地、浜岡原子力発電所の地域の特性を活かして、新たな産業の育成に取り組み、また市民が積極的に市政に参加していただき、市民との協働による、新市の幕開けにふさわしい活力に満ちたまちづくりの実現に向けて努力してまいります。
  
陸海空のゲートウェイ目指す
静岡空港の開港に合わせ御前崎港の整備に注目。アクセス道路や周辺交通整備を進める。また原子力発電所を中心に風力発電への取り組み、環境技術を充実させる。国道150号の4車線化、金谷御前崎連絡道路の早期整備を進める。




 今年1月17日、小笠郡の菊川町、小笠町の2町が合併し「菊川市」が誕生しました。人とみどり・産業が未来を育むを新市の将来像に、「共に生きる」「自ら拓く」「未来へ歩む」の三つの基本に進める。


菊川市庁舎
太田順一 菊川市長からメッセージ

 菊川市は、小笠町・菊川町の2町が合併し、平成17年1月17日に静岡県内で今年に入って初めての合併新市としてスタートしました。
 この新市の初代市長として、その責任の重大さを痛感し、誠に身の引き締まる思いです。これまでに私が得た経験を充分に発揮し、この地域の持つ歴史的、伝統的に築き上げられてきた2つの地域の個性を充分に活かしながら、5万人規模での「日本一のまちづくり」に全力投球する覚悟でございます。
 新市まちづくりにつきましては「みどり次世代」〜人と緑・産業が未来を育むまち〜をキャッチフレーズに、「共に生きる」、「自ら拓く」、「未来へ歩む」の三つの理念と、「共に汗かくまち」をはじめとする七つの基本方針が示されております。この基本計画を着実に実行することが重要だと感じております。
 まずは、2つの地域の融和を最優先に考え、主要地方道掛川浜岡バイパス整備などのインフラ整備を進めます。また、市民の皆さんとの対話を積極的に行い、市民参加型の行政を通じ、自立した市づくりを目指してまいります。
 私自身が、新市の夢を描きそれを実現するために、「選択と集中とスピード」で市政運営を進めてまいりたいと思っています。


  
主要地方道掛川浜岡線バイパスの整備促進と中核都市としての交通の利便性を踏まえ、都市計画道路朝日線のJRアンダーの早期整備を進める。
また、一部開通している主要地方道掛川浜岡線全面開通が見込まれている。学校施設整備では、耐震補強を重点的に進めていく。




 掛川市、大東町、大須賀町の1市2町が合併し、「新掛川市」をスタートさせる。遠州灘に面する大東町、大須賀町、山間地を持つ掛川市とが海と山を融合させ、東西南北につながる街道で交流し、新しいまちを作り出す。
 合併により、東海道新幹線駅や東名高速道路インターを最大限に活用、これまでの地域資源に磨きをかける事で、都市間競争に対応するとしている。



掛川市庁舎
戸塚進也 新掛川市長からメッセージ

 我が新掛川市の歴史は、小笠の歴史と申して過言ではありません。
 旧掛川市には、昔、小笠郡の郡役所が置かれていました。そして新幹線掛川駅も旧小笠郡5町の10億5,000万円という巨額な協力金により実現できたものであります。
 今回その小笠5町の旧大東町・旧大須賀町と旧掛川市が合併を実現いたしました。
 当面、小笠の仲間である御前崎市、菊川市と我が新生掛川市がいろいろな事業協力や人の交流で連携をはかりたいと考えます。



大倉重信 旧大東町長のコメント

これからの新市への期待

 合併後の新市建設計画のあり方を示す新「掛川市」建設計画に掲げられた新市の将来像は“海と山と街道がつながり、夢・未来を創るまち”とされ、重点プロジェクトとして、まず、新市融合に向けた南北幹線道路と交通システムの整備を挙げております。次に総合健康センターの整備による健康福祉の充実、さらに、市民活動センターと地域公共施設間ネットワークの整備により市民協働型のまちづくりを進めるとしております。新市の速やかな一体性の確立はもとより、住民福祉の向上と均衡ある発展を望むところです。
  平成17年2月


伊藤徳之 旧大須賀町長のコメント

 この度の合併により大須賀町は掛川市、大東町と“新生掛川市”として出発を致します。
 新掛川市は大変力強い新市であると考えております。特に各種の指標の中で、工業出荷額は1兆2千億円余と他の類似団体との比較でも突出しております。この指標は、雇用の確保や住民所得、人口増、しいては、行財政の安定や住民の皆様の安心に結びつくものと心強く感じております。
 これは先人の皆様や行政の不断の努力の賜と感謝申し上げます。
 大須賀町の49年の歴史を閉じる事は新市への出発であり夢と希望を持って合併に進みましょう。
 平成17年1月31日
  
新市融合に向けた南北幹線道路と交通システムの整備があげられている。掛川市街地、大東町、大須賀町とを結ぶ路線の一部バイパス化を急ぐ。医療、保険、福祉、介護の連携強化をめざす総合健康センターの建設も予定されている。また、市民協働型まちづくりに向けた支援センターの整備も重点事業のひとつ。




 袋井市と浅羽町が合併し、「新袋井市」をスタートさせた。JR袋井駅を中心に南北につながる生活圏、経済圏が出来る。これまでも、広域行政の中で、深いつながりを持ってきた両市町だが、今回の合併でより一体的なまちづくりを目指すことになった。当初、森町も合併協議会に加わり、1市2町のスタートとなる予定だったが、森町が住民の反対から脱退、今回のスタートとなった。

袋井市庁舎

原田英之 新袋井市長からメッセージ

 袋井市と浅羽町の合併により、自然豊かな、平均年齢が若い新「袋井市」が誕生しました。「人も自然も美しく活気あふれる健康文化都市」を目指し、「パワー」「安心」「健康」をキーワードとして、日本一医療費のかからないまちづくりや小笠山山麓への企業誘致、駅南から乗れる袋井駅の建設、東海地震、東南海地震への備え、子育て支援、治水対策と警察署の誘致など、市民みんなで協働によるまちづくりを積極的に進めてまいりたいと存じます。



村松駿一 旧浅羽町長のコメント

 浅羽町は平成17年4月1日に袋井市と合併して、新「袋井市」となります。
 合併が実現できますことは、多くの皆様のご理解とご尽力によるものと深く感謝申し上げます。
 新市におきましては、新市建設計画の将来像であります「人も自然も美しく 活気あふれる 健康文化都市」の実現に向けて、豊かな自然環境や特色ある歴史・文化、活力ある産業など、多彩な地域資源を生かした魅力あるまちづくりを進めるとともに、市民が安心して暮らすことができる諸施策に取組み、市民参画の促進、市民活動の支援を積極的に推進することで、開かれた市政を構築してまいります。
  平成17年2月

  
新市の均衡ある発展と一体感あるまちを目指すため、南北の連携、地域交流のポイントとなるJR袋井駅周辺の中心核はじめ、月見の里学遊館や大型商業施設がある上山梨周辺、浅羽町の浅名地区、小笠山運動公園などのJR愛野駅を中心とする基幹道路網の整備を急ぐ。また、地域医療の新市民病院建設も推進する。




 磐田市を中心とする磐南5市町村の大型合併が実現する。磐田市、福田町、竜洋町、豊田町、豊岡村の1市3町1村はこれまで、明治の大合併や昭和の大合併を通じて、合併を繰り返してきたが、今回の平成の大合併で新市に移行する。遠州灘に面する福田、竜洋町から豊田、磐田を経て豊岡村の山間部まで、南北につらなる一大ゾーンが誕生する。これまで東海道五十三次見付宿として、江戸の時代においても東西交通の要所として発展しており、遠州地域の要とも見られている。


磐田市庁舎
鈴木 望 新磐田市長からメッセージ

 新磐田市は、磐田市・福田町・竜洋町・豊田町・豊岡村の磐南5市町村が合併して誕生した人口約17万5千人のまち。浜松市とともに静岡県西部の拠点都市としてバランスのとれた発展を目指します。
 新磐田市は県下第2位の工業出荷額を誇る工業都市でありながら、奈良時代からの歴史と文化が積み重ねられたまちであり、又、桶ヶ谷沼に代表される自然豊かな里でもあります。最近ではJリーグ「ジュビロ磐田」のホーム・タウンとして全国的に知られるようになりました。
 これらの特色を活かしながら、活力があり、子育てしやすく暮らしやすい、住んで誇れる魅力的な20万都市を形成していきます。


佐藤芳雄 旧豊田町長のコメント

 4月1日、磐南合併。この地域は、日本の中心で海、河川、森林、肥沃な緑豊かな大地、そして都市基盤も整い、歴史、文化の集積も厚い。
 この合併が、いい合併であったかどうかは短期間で答えを出すことは出来ないが、何事も一番大事なことは、リーダーの一念心と職員の意識の高低である。行政は、市民の税金によって、賄われるものであり、高質なサービスを期待すると同時に、市民サイドの積極的な参画も重要だ。
 次世代が安心できる地域創出を願ってやまない。
  平成17年2月


鶴田春男 旧豊岡村村長のコメント

 合併は目的ではなく、世直し手段・方策である。目的は幸せ実現であり、少子高齢化や財政赤字など諸課題を次世代に先送りすることなく、現役世代が自ら果敢に構造改革に挑戦することである。要求型民主主義から目的達成型に改め、行政と民間の役割分担を明確にし、且つ断行していくこと。限りある財源・人間を活かし、権限を活用して住民・民間企業が活躍できるような舞台・土俵づくりこそが合併というきっかけで実現されなければならない。  
                                  平成17年2月
  
南北を走る幹線道路網の整備が急がれている。北部、中部、南部エリアごとの主要施策を進めると共に、そのエリアを結ぶ交通網整備を急ぐ。
北部では里山整備、自然体験センター、中部では磐田駅、豊田町駅を中心とした周辺再開発、磐田原台地の新産業拠点整備、南部では遠州灘海岸を生かした海洋レクレーション施設、風力発電などを進める。


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