ビルダーズ・ボイス56号 つちおと第96号
特集 建設ステーション 街のおすすめショップ アンテナ 未来の声・学校紹介 時評 クイズコーナー われらのマドンナ
広報紙TOPへ
 
 周智郡森町大日山に生まれた川は、いくつものまちを抜け、いくつもの流れと落ち合いながら遠州灘に至ります。その間、川はどんな景色をつくり、どんな命を育み、どんな人と触れ合うのでしょう。
 太田川の上流から下流、そして支流。身近な川の違う顔を知りたくて、流域を歩いてみることにしました。時と場所を変えながら、川はどんな姿で私たちを魅了してくれるでしょうか。

額縁に入れたい河口の風景―はまぼう公園(福田町)

かなたに見えた富士山に感動
 はまぼう公園から見えた美しい光景に心を奪われました。野鳥が飛び交い、松の緑に冬空の澄み切った空気、冷たい風がマッチした河口の風景です。
 そして、中州を含み、満面と水をたたえた流れの向こうには、新雪を被った赤石山脈に裾野も広く、富士の姿がありました。ここからは、遠州地方で一番大きく富士山が見えるのです。
 太田川河口から始まった「てくてく太田川」。人々のいとなみや風景へ思いをせつつ、私たちは、「太田川のベストショット」を探していきます。
〈豊田町 松下 三郎〉

島田の蓬莱橋(ほうらいばし)を思わせる
『新屋橋(あらやばし)』
どことなくユニークな耐震水門

なつかしい川の原風景―太田川さくら通り(袋井市)


時も川もゆったり、ゆっくり
 目を閉じると桜の花びらがほほに、堤からは花見のにぎわいが聞こえてくるようです。
 河原全体に水面が広がり、淵には小魚が群れ、せせらぎからはかすかに川音が流れてきます。自然の大木が残り、得意満面、岸から飛び込んだ幼い日の光景を思い出します。
 斜面には野草が満ち、春への期待をふくらませます。近くには木の橋もあります。
 昔は、時がゆっくり流れていましたよね。そんな思いのする川の原風景です。ぜひ、歩いてみてください。
〈袋井市 門名 親宏)

 
 今回は、太田川とぼう僧川の合流地点、雄大な河口の風景と野鳥の飛来が自慢の福田町「はまぼう公園」と、子どもたちが地域の人とともに川に親しみ、川を守る、太田川中流の袋井市今井地区「太田川さくら通り」を訪ねました。
 また、昨夏に森町の太田川で行われた「川発見隊」の、元気な子どもたちや緑深い上流部の様子も報告します。
 編集局メンバーが見て、聞いて、感じて。新しい川の魅力、見つけたよ。


ウォーキングには、今井公民館を起点に
  「かわせみコース(6.3km)」
  「虹のかけはしコース(6.4km)」があります。

今井公民館へは、東名袋井ICより車で約5分。
  今井小学校北側。

今井公民館 Tel.0538-43-3388


学校横の、川をイメージした
カラーマーキング

子どもたちと仲良しの川
 
広々とした河川敷で元気いっぱい
 今井地区の河川敷には、地域の人と子どもたちの思いがあふれています。
 太田川に隣接する今井小学校の子どもたちは、持久走に、水遊びにと、川辺に第二の校庭を持っています。
 川沿いにある3つの公園の名前も、子どもたちが考えました。特に「かけはし公園」建設には計画段階から参加。あずまやの舗装デザインを市の鳥フクロウに決め、持ち寄った空きビンをリサイクルした舗装材の設置まで手伝ったそうです。
 一時期は、危険ということで、子どもたちが川から遠ざけられたこともあったようですが、現在は『水辺の学校(楽校)』として、川・自然との共存をテーマに、生きた学習が進められているのです。
 地域の人たちと一緒に、川や公園について考えることで、子どもたちに「ぼくらの川、ぼくらの公園」という意識が身に付き、「川の命はみんなの命」といえるまでに成長しています。
 春の草花と子どもたちの元気な声に誘われて、あなたも「太田川さくら通り」を訪れてみませんか。〈磐田市 安間 美恵子〉

ようこそ、さくら通りへ

みごとな桜並木
 太田川河口から約10キロメートル上流にある東名高速の橋。ここからさらに上流へ約3キロメートルの区間に、3つの河川公園があります。
 これらを結ぶ太田川堤防沿いを、地元の袋井市今井地区では「太田川さくら通り」と呼び、市のウォーキングコース第一号の認定を受けました。
 四季折々の草花が楽しめるこのコースを使って、春秋の2回、自治連合会主催のウォーキング大会が行われます。そのうち1回は、市全域にも呼びかけ、他地域の人との交流の場にもなっています。
〈袋井市 池野 眞市〉



川のすばらしさを伝えたい

見かけより速い流れにビックリ
 「川で遊んだことがないんだよ」。川の仕事に携わる者にとっては非常に辛い言葉です。
 袋井土木事務所では、太田川流域の子どもたちに川のすばらしさを体験してもらいたい!という思いから、夏休みを利用して、『川発見隊』というイベントを開催しています。
 2回目となる今回は、太田川下流で生活する小学生を対象に、太田川上流アクティ森付近でリバートレッキングを開催しました。
十兵衛淵へジャンプ




 チームに分かれての水切り大会や鮎のつかみ取り大会は非常に盛り上がり、休憩時間になれば、淵へ飛び込んだり、流れに身を任せて泳いだりなど、子どもたちは、日常では体験することが出来ない貴重な経験ができたのではないかと感じています。
 袋井土木事務所では、これからも引続き、子どもたちに川のすばらしさを伝えていきたいと思います。
 〈袋井土木事務所 遠藤和正〉
来年も参加したいネ

はまぼう公園へは、国道150号・福田交番前バス停から
  東へ約1km、ふくで荘入口バス停から西へ約1km。

野鳥観察会は、毎月第一、三日曜日、午前9時30分から
 
12時30分まで開催。
  はまぼう公園内の野鳥観察小屋に直接集合。

野鳥観察で満喫まんきつする太田川の恵み

はまぼう公園内にある野鳥観察小屋
 はまぼう公園の中に野鳥観察小屋があることをご存じですか?ここでは毎月ボランティアによる観察会が開かれています。私たちが訪れた日は、日本野鳥の会遠江とおとおみ支部の犬塚英雄さんが、とても熱心に説明してくださいました。
 きらきら光る水面の向こうの中州に、黒々と広がる帯のようなものが見えます。スタッフの方が自前で設置してくださったフィールドスコープでのぞいてみると、それは五百羽ほどもいるカワウの群れでした。これだけのカワウを支える魚の量、そして魚を支えるプランクトンや植物の多さはかなりのものだということ。静かに水を湛える太田川の内なる豊かさに驚かされました。
 他にも、ヒドリガモやカンムリカイツブリ、ユリカモメなどの冬鳥も飛来しています。春には、南と北を往復するシギやチドリ、日本で子育てするコアジサシなどが訪れるそうです。
観察を楽しむ親子「あ、見えた!」
 広々とした河口の雄大な風景と、 翼を休める鳥たち。太田川河口のはまぼう公園では、日常から離れ、 ゆったりとした時間が満喫できます。 〈袋井市 下川 恭子・紗〉
羽根を休めるマガモ

「はまぼう」を知っていますか?

夏の花ハマボウ
 公園の名前のとおり、敷地内には約40本のハマボウが植えられています。ぼう僧川耐震水門がつくられる時、地元で「河口のハマボウを守ろう」という声があがり、磐田農高生たちが移植したのがこの公園のきっかけになりました。
 ハマボウという聞き慣れない植物の原産地は、赤道直下の南洋。ハイビスカスの仲間で「はまつばき」とも呼ばれ、7月から8月に黄色い美しい花をつけます。「南方からヤシの実に付いた種が福田に流れ着き自生した」という説もあるそうです。川風にゆらぐ花びらは、真夏の太陽を浴びて、はるか南洋の故郷をしのび歓喜しているようです。
 ぼう僧川の河口から上流にかけて二百本以上自生していますので、ぜひ、公園や川辺を散策しながら、探してみてください。〈福田町 鈴木 隆之〉


  ご意見、ご感想をお送りください。
  また、太田川水系の川に関する情報もあわせて募集しています。

静岡県袋井土木事務所  
   〒437-0042 袋井市山名町2番の1 Tel(0538)42-3289 Fax(0538)43-0919
Eメール fukudo-kikakukensa@hq.pref.shizuoka.jp
ホームページ http://doboku.pref.shizuoka.jp/desaki/fukuroi/
編集:太田川情報編集局(事務局:袋井土木事務所河川改良課内)


前のページへ広報紙TOPこのページの頭袋井建設業協会HOME次のページへ
Copyright 2002 (C) Fukuroi Builder's Association. All rights reserved.このホームページに掲載の画像・文章などの無断転載・無断引用は固くお断りします。