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 袋井土木管内で進められている「地元に好評の公共事業例」の第2弾は、菊川の支川で進められています下小笠川捷水路事業を紹介します。

 川底が平地などより高い、いわゆる天井川となっているため、これまで幾度となく災害が発生、最近では平成10年9月に橋梁流失や浸水家屋56戸という大きな被害が発生しています。 治水対策として、これまでも護岸補強などの工事が行われてきましたが、天井川だけになかなか、思うようにはいかなかったということです。

 抜本的な対策をしてほしい、という地元からの強い要請で、氾濫を繰り返す支川下流部に新しい川を造りだそうと動き出したのが、今回の捷水路事業です。 既に1.6kmに渡って堤防が完成し、通水を待っています。

 新しい川を造ってしまう、河川のバイパス工事は東海地区では用地問題や事業費の関係で非常に珍しく、今年度の通水、新年度の完了を地元地域の方々が待ち望んでいます。

※地図をクリックしていただくと大きい画像でご覧いただけます。


●「菊川とは」

 菊川はその源を掛川市粟ヶ岳に発し、菊川町で平野部に出て、牛渕川・下小笠川を合わせ大東町に入り、遠州灘に注いでいます。総延長は32.3km、流域面積は158平方kmです。
 今回の捷水路が造られたのは、菊川の支川である下小笠川下流部です。


●「下小笠川の現状と課題」
 
 下小笠川では、これまでに幾度となく氾濫し、周辺家屋、田畑に大きな被害を繰り返してきました。源である小笠山から一気に菊川に注いでいる事や、昔からの天井川となっているため、少しの水でも氾濫してしまいます。さらに下流部では大きく、迂回をした形のため、氾濫しやすいのです。
 これまでも、河川の氾濫があるたびに堤防補強や改良が行われてきましたが、有効な対策とはなりませんでした。天井川という川の構造、下流部で大きく迂回をしている形状から、抜本的な対策が必要、という事で「新しい川」を造ろう、となったわけです。


●「捷水路事業の概要」
 
 
ごらんのように、下小笠川自体が3m以上も下がります。それは、今まで頭の上を流れていた川の水が、足元を流れるように変わるもので、治水の安全性は確実に高まります。
 
 下流での1.6kmの部分で土を掘り、堤防を造り、川を建設しました。
 それにより、これまで民家の頭の上を流れていた川の水が、足元を流れるようになり、治水の安全性は大きく高まります。
 工事は平成11年度からスタート、土を掘り下げ「河道」を造り、堤防が造られました。今年度は、最終的な工事として、水の取り入れ部分と出口部分の堤防が建設されています。今年度末に通水し、新年度に水路から菊川に注ぎ出す部分の一部浚渫、堤防強化などを行い、事業が完了する予定です。
 

●事業を担当する国土交通省浜松河川国道工事事務所の
  菊井副所長に聞きました
 
 「土砂搬出での周辺対策に全力 
         親しまれる川になる事を期待」

 
  事業を担当する国土交通省浜松河川国道工事事務所の河川担当副所長・菊井幹雄さん(写真右)に、事業を進める上での注意点や、新しい川のピーアール点、建設業界への要望など聞いてきましたので紹介します。


△事業を担当されて、苦労されている点は何ですか。

菊井副所長
 そうですね。新しい川を造るわけですので、多量の土砂を搬出します。ダンプカーや作業車での搬出が大きいわけですので搬出経路の検討、防塵対策、道路の清掃、運搬時間の制限などに非常に気を使いました。お蔭様で、建設業者の方も理解をして頂き、無事、これまで来ております。最後の時ですので、気を引き締めて、進めています。

△完成しますと、治水面だけでなく、地域の方とのふれあいを大切にした川をめざしたという事ですが。

菊井副所長
 新しい川ですので、周辺住民の方が気軽に散策をし、安全で快適な空間となって頂けるように切望しています。周辺と自然との調和をテーマに、人間だけでなく、魚、鳥にも安らぎを与えてくれる多自然型川づくりを推進しています。町ともプランを練り、堤防には桜を植え「緑の木蔭ゾーン」など多彩な仕掛けがしてあります。是非、皆さんに親しんで頂きたいと思います。

△地元建設業界に対する要望があれば伺います。

菊井副所長
 工事の出来具合を見ていますと、経験や知識の有り無しに大きな差が見られます。現場代理人の方は、自分が担当している工事だけでなく、周りで行われている工事にも常に関心を持って勉強して頂きたい。また、いろいろな研修制度を活用し、技術の向上に励んで頂きたいと思います。期待をしています。

3つのゾーンの特徴
1.三川合流出逢いのゾーン
 菊川・牛渕川・下小笠川の3つの川が出合う(合流する)ゾーンです。堤防のそと側に、土を盛り桜の木を植え、楽しい空間を作ります。

イメージ図
2.緑の木陰づつみゾーン
 新しい川の中間あたりの、田園ゾーンです。
 緑の広場として、子供でも安心して川のそばで遊べるようにします。また、夏は水が少ないため、川の中に小さなみちを作り、魚が住みやすくします。

イメージ図
3.ふるさと渓流ゾーン
  捷水路上流部の「大東ふるさと村」と、兼政池との自然ゆたかなゾーンです。
 自然石をつかった渓流風の川で、魚の生活に配慮した自然風の魚道にします。また、「大東ふるさと村」の公園内になるので子供が入っても安全な空間にします。
 沿川は、紅葉が楽しめる樹木を植え、渓谷風な景色にします。

イメージ図



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