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ビルダーズボイス つちおと
時評-THE VOICEタイトル
技能の今昔

 建設技能技術の進歩に伴い、世の常とは言え滅没減少していく職種もある。
既存の職種も工法も新しい資材と共に変化している。
しかし、実質的な進歩変化であるだろうか。

 減少というより滅没に近い職種で、現場で作業する きょう 屋さん、今は壁紙屋さんと職種名も代わっている。
経師屋さんは現場で壁面の表装・表具・戸襖等、特に とり 紙、西陣織など、高級織布を貼る場合、 きの和紙で すて り(袋貼り)といって和紙の四方に糊をつけ中央を浮かして貼り上記の表装材を貼る。
そうする事で表装材に糊を直接付着させず下地材(コンクリート・ベニヤ)の影響で発生する染み弛みを防ぐために施す技能は、殆ど現場で見ることは無くなってしまったのでは…。
今では屋内で作業する装丁、額装専門店でしか見ることができなくなってしまった。

 過大な表現になりますが、日本人の物造りの心と根幹を成す重要な技能は長い歴史と伝統に支えられて今に伝承されてきた。それも徒弟制度という厳しい修業の中から生まれてきたのではないか。

 日本人の持つ美しい情緒や形を理解できない欧米人は、例えばお茶をマグカップに注いでガブ飲みする。
しかし日本では茶道に、また花の生け方を華道にしてしまう。
四季自然への繊細な感受性を源とする美的情緒が、世界に誇る芸術技能技術を形成し、それが日本を世界のトップを走る技術王国にのし上げてきた。

 しかし、それも現在は少し陰りが見えてきているのではないか。
                                        (S・K)


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