今回ご紹介するのは、掛川市にある二の丸茶室です。 平成14年3月に完成。今年5月4日の入館者数は今までの最高記録 (422名)となりました。 木造平屋建、銅板一文字葺、聚楽土塗りの落ち着きある日本家屋で、周囲の自然と調和したたたずまいです。 茶道には多くの流派があり、ここ二の丸茶室では、表おもて千せん家け・裏うら千せん家け・宗そう編へんという「抹茶」の3流派、松しょう月げつ・静せい風ふうという「煎茶」の2流派のかたが和装にてお茶のおもてなしをしてくれます。 お茶に添えられる和菓子ですが、地元の兎月堂さん・コマツさん・梅園さん・石田屋さん・榊屋さん・大竹屋さんが担当し、日々違うお菓子を楽しむことができます。例えば、「モミジ」の和菓子をとりあげますと、青々としたモミジ、少し黄色味がかかったモミジ、色鮮やかなオレンジ色のモミジと和菓子で「季節」が楽しめます。 さらにこの茶室は、いつでも茶道体験ができます。市内はもちろん、市外の小学生が課外授業の一環として、茶道体験にみえるそうです。私は、裏うら千せん家けの茶道体験をさせていただきました。お茶を点たてるのには、ただかき混ぜるのではなく、手首を上下に使って「泡」を点たてなければなりませんが、なかなか上手くできません。テレビでお茶を点たてているのを見ていましたので、簡単にできると思いましたが、いざやってみるとたいへん難しいものでした。 取材に行く前は、「茶室」という場所に対してすごくかしこまった所のような印象がありましたが、全くそのようなことはありませんでした。この二の丸茶室は、お城や四季の草花がある庭を見ながらゆっくりと誰でも気軽にお茶を楽しむことができます。私にとって、「茶室」は特別なお客様を心からもてなす所作と庭が調和する「いやしの空間」でした。 喫茶店でのお茶も結構だと思いますが、風情ある二の丸茶室でのお茶はまた「格別」なものではないでしょうか。