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 地震による被害を軽減するために、自宅の中やオフィスの中にある家具類を、建物にしっかりと固定することを考えましょう。

倒壊写真
▲撮影 牧田教介 (鳥取県日野町)

 この写真は、平成12年に起きた鳥取県西部地震のときの室内写真です。中央にうつ伏せに倒れているタンスは、もともと、二段重ねで左側に立っていたものです。この部屋は寝室として使われていて、夜はここにフトンが敷かれていました。この地震は昼間の午後1時30分に発生、家人は勤めに出ていて家はお留守でした。仮に、地震の発生時刻がもし夜中の午前1時30分であったならば、この部屋で深刻な事態が起きていたかもしれません。

倒壊イラスト  私たちの身の回りには、タンス、食器棚、書棚などたくさんの家具があり、内容物を含めると重さが百キロを超えるものも少なくありません。私たち人間は、こうした重い家具が林立する環境の中で生活しています。地震で前後・左右・上下に激しく揺すられた家具は、人の生活の場に向かってせり出し、前のめりに倒れこんできます。深刻な事態の発生を避けるためには、家具類を「しっかりと」固定することが欠かせません。

 ところで、いざ自分で固定作業工事をしようと決心しても、実行するのは容易なことではありません。私の体験で恐縮ですが、以前、木製の大きな本棚を自分で留めたことがあります。2本の本棚を横に並べると、間口が1間あり、「上置き」を載せると、高さは天井近くまであります。この「田の字」形の4つの部分を、まず、20本のボルトで一体化しました。(全体を「口の字」形にしたわけです)。本棚の背中には2枚の横板をあて、構造的に丈夫なところを選んで多数の木ネジで留めました。一方、壁にも横板をあて、構造材の位置を確かめてネジ留めしました。こうした下ごしらえをした上で、本棚を壁に押しあて、双方の板が重なり合う部分に数十本の長い木ネジを打ち込んで完成。もうビクともしません。たったこれだけのことですが、この方法にしようとアイデアを煮詰めるのに2週間かかり、工事には4日間を費やし、電動工具や材料も買いそろえ、重い書棚を相手に、実に大変な思いをしたことを覚えています。

 私の手元に、東京消防庁からいただいた動画があります。起震台の上に食器棚を載せ、「阪神・淡路大震災」と同じ地震波形で震度6強の振動を与え、様々な「留め具」の効果を実験した内容です。市販されているいくつかの留め具が試され、その中には効果の薄いものもあり、食器棚が転倒してしまうケースもこの動画に写っています。どうやら、簡単な留め具を買ってきて、チョチョッと済ませるのでは効果が期待できないようです。(何しろ、相手は百キロ前後の重い物体ですから)。家具を留めるのであれば、「しっかりと」「本格的に」留めることを心がけましょう。家具を留めることの必要性は以前から叫ばれていますが、静岡県内では、一部または全部の家具を留めているご家庭は6割にとどまっています。また、本当にしっかりと留めてあるのか、「留め方の質」も考える必要がありそうです。

 家具を留めるときに欠かせないのは専門家の助言です。本棚を留めた私のやり方が「過剰」なのかどうか、妥当な留め方にはどんな方法があるのか、専門的な立場からアドバイスをいただければ、もっと能率的にできたことでしょう。さらに、一つの家具を留めるのに何日もかかるのでは、忙しい人にとっては無理なこと。工事を手頃な料金で代行してくださる組織があれば大変ありがたいことです。こうした、アドバイスと施工に応じてくださる組織が全国の市や町に作られることを願っています。

◎寄稿/中 川 洋 一氏 日本災害情報学会会員・浜松学院大学講師 (藤枝市在住)


 上述の寄稿者の中川様には、過日(平成17年5月)袋井市において、”こうして防ごう地震災害”をテーマで御講演を頂き受講者より好評を得ました。
  NPO法人つちおと(袋井建設業協会)では地震による被害を軽減できるようにと常々考え、又今回地震に対する事前の準備により少しでも被害を無くそうと中川様に寄稿を依頼した次第です。NPO法人つちおとも今後種々軽微なことから方策を考えているところです。


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